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サステナビリティ

サステナビリティの全体像

TCFD提言に沿った情報開示

TCFDへの賛同

 産業革命以降、石油や石炭などの化石燃料を多量に消費することによって、二酸化炭素などの温室効果ガス(GHG)排出量が増加し、地球温暖化が進行しています。地球温暖化に伴う気候変動により、豪雨や洪水などの自然災害の増加、食糧資源や水資源の減少、熱波による猛暑や感染症の発生など、人々の生活や生態系への様々な悪影響が増大することが懸念されています。

 気候変動の進行の緩和や脱炭素社会への移行に向け、2016年に発効されたパリ協定では、世界共通の長期目標として平均気温の上昇を2℃より十分下方に抑えること(2℃目標)と更に1.5℃までに抑えるよう努力することが求められています。

 当社はこのパリ協定を支持し、「気候変動の緩和」をマテリアリティ要素のひとつと位置づけ、GHG排出量削減(Scope1+2)については、2050年カーボンニュートラルを目指し、GHG 排出削減中期目標 「2027年度までに2018年度比30%以上削減」を掲げています。また、当社は地球温暖化抑制を目的とする日本政府の取り組みを支持しており、「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」を遵守しています。

 また、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures: TCFD)の提言への賛同を2020年8月に表明しました。TCFD提言では「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの開示推奨項目が設定されています。投資家を含むすべてのステークホルダーの皆様に当社の気候変動関連情報を開示し、対話を進めることで、情報の透明性を確保するとともに、今後もステークホルダーの皆さまとの意見交換を深め、気候変動に対する取り組み及び開示の更なるレベルアップを図り、より一層、持続可能な社会の実現に貢献して参ります。

ガバナンス

 当社グループは、「社会が求める価値を提供し、地球環境の保護、人類の生存と発展に貢献する」という企業理念を事業活動の基本としており、この企業理念を実践することが社会と自社の持続可能性(サステナビリティ)につながる活動であり、事業活動の基盤であると認識しています。
 当社グループの気候変動対応に関する取り組みは、サステナビリティ委員会、気候変動対策委員会、リスク・コンプライアンス委員会、環境安全委員会にて検討・審議しており、審議内容を取締役会で議論・決議することで、取り組みを監督しています。

 当社は「気候変動の緩和」をマテリアリティ要素のひとつとして特定していることから、2022年度には、気候変動関連課題に特化した議論・検討を行う委員会を新たに設置しました。

 また、当社は「環境配慮型製品・サービスの提供」をマテリアリティ要素のひとつとして選定しており、環境エネルギー、バイオプラスチックの普及に役立つ製品等の開発に尽力しています。これらの製品の販売・投資計画等は担当部門より経営会議に付議され、承認を経て取締役会に付議されます。

サステナビリティ委員会

 気候変動を含むグローバルな社会課題により戦略的に取り組むため、重要事項などを検討・審議する組織として、サステナビリティ・IR部担当役員を委員長とし、部門担当役付執行役員をメンバーとするサステナビリティ委員会を取締役会の下に設置しています。本委員会は年2回定期的に開催され、気候変動を含むサステナビリティに関する方針、マテリアリティの選定およびKPIの設定・進捗管理、長中期計画、年次活動結果の評価および評価に基づく次年度の目標等について審議しています。

 年1回以上、経営会議にて上記内容について妥当性評価及び見直しを受けます。経営会議の承認を経て、以下の事項については取締役会に付議されます。

  • サステナビリティに関する方針の立案
  • サステナビリティに関する長中期計画・年次計画

気候変動対策委員会

 深刻化する気候変動問題が与えるリスク・機会を的確にとらえ、より強く経営戦略に結びつけ包括的な気候変動対策を強化するため、独立した組織として取締役社長を委員長とし、各事業部、企画本部、購買部、経営企画部、サステナビリティ・IR部、財務部、生産技術部、環境安全・品質保証部の部長を委員とする気候変動対策委員会を取締役会の下に設置しています。

 本委員会は年1回定期開催のほか、必要に応じて開催され、気候変動に関するリスク・機会の分析、方針・目標・計画検討を行っています。経営会議の承認を経て、以下の事項については取締役会に付議されます。

  • シナリオ分析と対策
  • 気候変動対策に特化した長中期計画、年次計画 

リスク・コンプライアンス委員会

 リスクマネジメントの実効性をより高めるとともに、コンプライアンスを維持向上、推進するための機関として、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、年2回定期的に開催しています。

 本委員会は取締役会が指名するCRO(チーフ・リスクマネジメント・オフィサー)を委員長とし、CROが指名する各部門、箇所および国内連結子会社のリスク・コンプライアンス責任者(各部門長・各箇所長・各国内関係会社社長)から構成されています。

 リスク・コンプライアンス責任者は、定期的に、気候変動関連リスクを含むリスクの洗い出し・評価・対策計画立案、リスク対策実施状況・課題の自己評価、改善案の策定を行うほか、計画的に各部門、箇所および国内連結子会社にて教育、訓練等を行います。リスク・コンプライアンス委員会において上記リスクマネジメント活動および次年度活動計画について審議し、年1回以上、経営会議にて妥当性評価および見直しを受けます。経営会議の承認を経て、以下の事項については取締役会に付議されます。

  • グループ重要リスクの特定と対策
  • リスク・コンプライアンスに関する中期計画・年次計画

環境安全委員会

 化学品の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄・リサイクルに至る全ての過程において、「環境・健康・安全(EHS)」を確保し、その成果を公表し、社会との対話・コミュニケーションを行う自主活動であるレスポンシブル・ケア(RC: Responsible Care)活動を推進する組織として環境安全・品質保証部担当役員を委員長とする環境安全委員会を年1回定期的に開催しています。サステナビリティ委員会と情報を共有しながら、気候変動への対応を含む長中期計画、各箇所の年度活動結果、会社全体の活動総括、および次年度のRCに関する目的、目標、行動計画を討議しています。

 年1回以上、経営会議にて上記内容について妥当性評価及び見直しを受けます。経営会議の承認を経て、以下事項については取締役会に付議されます。

  • RCに関する方針の立案
  • RCに関する長中期計画、年次計画

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リスク管理

グループ重要リスクの選定プロセス

 部門の事業特性やグローバルな政治・経済・社会情勢等、ビジネスを取り巻く環境を考慮して、リスク・コンプライアンス委員会の枠組みの中で気候変動関連リスクを含むリスクの洗い出しを実施し、その後、発生可能性と事業への影響度の観点からリスク評価を実施したうえで、リスク評価結果に基づくリスクマップを作成し、「グループ重要リスク」を選定しています。その内容はリスク・コンプライアンス委員会で審議し、取締役会で決議しました。

グループ重要リスクの管理プロセス

 選定した各グループ重要リスクに対して主管部門およびリスクオーナーを決め、主管部門のリスク・コンプライアンス責任者を中心にグループ重要リスク対策計画を策定し、リスク・コンプライアンス委員会での審議を経て取締役会で決議します。また、対策の実施状況は、リスク・コンプライアンス委員会で審議し、審議の結果は取締役会に報告します。

 グループ重要リスクのひとつである台風・集中豪雨に関しては、主要工場の設備復旧の費用増や生産量の減少を招くリスクへの対応として、各工場において「2027年度までに経常利益50%を占める製品のBCP更新整備」をKPIと設定し、2022年度終了時点で経常利益41%を占める製品のBCP更新整備を完了しました。

 リスクの洗い出しおよび、事業への影響度および発生可能性の評価は定期的に実施し、グループ重要リスクを定期的に見直しています。

 リスクマップ、グループ重要リスクおよびリスクへの対策については下記ページをご覧ください。

戦略(2023年7月更新)

 TCFD提言では、気候変動に起因するリスク・機会が企業の財務にどのような影響を及ぼすかを把握するため、シナリオ分析を行うことを求めています。シナリオ分析とは、地球温暖化や気候変動そのものの影響や、気候変動に関する長期的な政策動向による事業環境の変化等にはどのようなものがあるかを予想し、その変化が自社の事業や経営にどのような影響を及ぼしうるかを検討するための手法です。

 当社は2020年に、脱炭素社会への移行が実現する2℃シナリオ(移行リスクが顕著)と気候変動が進展する4℃シナリオ(物理的リスクが顕著)における事業リスク・機会の選定、重要性の検討を行い、当社への影響と戦略などについて整理しましたが、2021年に行われた国連気候変動枠組条約第26回締約国会議 (COP26) において、平均気温の上昇を1.5℃に抑える努力を追求することが合意されたことをうけ、2023年7月にシナリオ分析の見直しを実施しました。

参照したシナリオ

1.5℃シナリオ*1 4℃シナリオ*2
・IEA-WEO*3, ETP*4 ネットゼロシナリオ (NZE)
・IPCC SSP*5 1-1.9, 1-2.6
・IEA-WEO 公表政策シナリオ (STEPS)
・IPCC SSP5-8.5
  • *1産業革命以前と比較して、気温上昇を1.5℃以下に抑えるために必要な対策が講じられた場合のシナリオ
  • *2産業革命以前と比較して、21世紀末に世界の平均気温が4℃上昇するシナリオ
  • *3国際エネルギー機関 「World Energy Outlook」(2022)
  • *4国際エネルギー機関 「Energy Technology Perspectives」(2023)
  • *5国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「Shared Socio-economic Pathway」
分析対象範囲および分析対象期間
  • 分析対象範囲:化学品・機能性材料・農業化学品・ヘルスケア・企画本部
  • 分析対象期間:2030年および2050年
リスク・機会の特定プロセス
Step1 バリューチェーンやステークホルダーを明確化し、当社事業に影響を及ぼす要因を整理
Step2 上記シナリオやその他外部情報に基づくリスク・機会の洗い出しを実施
Step3 洗い出したリスク・機会から、発生の可能性、事業へのインパクト(人的損失、財務的インパクトなど)を踏まえ、特に重要なリスク・機会を特定
特定したリスク・機会および主な対応策
シナリオ 要因 事業への影響 対象事業 主な対応策
1.5℃
シナリオ
GHG排出に関する規制 リスク ・炭素税などのカーボンプライシング導入、サプライヤーの規制対応・脱炭素投資による原材料調達費増加 ・製品への価格転嫁
・原材料購入サイトの複数化
・炭素税などのカーボンプライシング導入、規制対応、脱炭素投資による操業費増加 ・工場における原燃料転換
・省エネ設備などへの更新
・再エネの更なる導入
・硝酸プラントからのN2O排出ゼロ
(投資予定額:5億円)
・製造プロセスの最適化
・インターナルカーボンプライシングの導入による脱炭素投資の推進
機会 ・GHG排出量削減によるカーボンプライシング影響の回避
・エネルギー政策の変化
・エネルギー需要や供給量の変化
リスク ・サプライヤーの再エネ電力調達による自社の原材料調達費増加 ・製品への価格転嫁
・原材料購入サイトの複数化
・自社の再エネ電力調達による操業費増加 ・省エネ設備などへの更新
・製造プロセスの最適化
・物流コスト増加 ・物流ルート、システムなどの最適化
機会 ・エネルギー高効率化・省エネによる運用コストの削減
・資金調達(助成金など)の機会獲得
・省エネ設備などへの更新
・製造プロセスの最適化
・先進的なGHG排出削減の取り組み、および適切な情報開示
環境配慮要請の高まりに伴うマーケットの変化 リスク ・農薬使用量規制の導入による、農業化学品売上の減少 ・環境への影響が小さい農薬の開発
・生物農薬の開発
・バイオスティミュラント技術の修得
・登録国数の充実
・低炭素製品を提供できないことによる売上の減少
・排出量の大きい製品・事業の保持による顧客からの需要低下
・低炭素製品の拡販
・環境配慮型製品・サービスの開発
・革新的な製造技術の確立
・事業ポートフォリオの見直し
・インターナルカーボンプライシングの導入による脱炭素投資の推進
・再エネの更なる導入
・工場における原燃料転換
機会 ・低炭素製品向け部品・素材などの需要増加、売上の増加
・生物農薬などの需要増加 ・環境への影響が小さい農薬の開発
・生物農薬の開発
・バイオスティミュラント技術の修得
気候変動への取り組みに対する投資家などからの要請の高まり リスク ・化石燃料の大量使用など、気候変動への対策が遅れることによるESG評価や評判の悪化および時価総額の減少、資金調達の難化 ・更なるGHG排出削減の取り組み、および適切な情報開示
機会 ・先進的な取り組みや情報開示によるESG評価や評判の向上、時価総額の増加
4℃
シナリオ
気温上昇・異常気象の増加 リスク ・豪雨、洪水、海面上昇などによる浸水により、工場の操業・設備・在庫や、サプライチェーンが影響を受けるリスクの増大 ・各工場における主要製品のBCP策定
・リスクに応じた高基礎化/高フロア化の実施
・干ばつや熱波など、水不足による生産能力の低下(冷却能力不足など)、および製品・材料管理コストの増加 ・各工場における主要製品のBCP策定
・既存冷却システムの適正化
・節水、水循環設備の導入
・省エネ対応空調、冷却設備の導入
気温上昇・異常気象に伴うマーケットの変化 リスク ・豪雨/洪水の頻度・強度増大や、灌漑用水の確保困難による作付面積の減少
・気温上昇による農作物の分布の変化、作付面積の減少
・登録国数の充実
・農薬ポートフォリオの充実
機会 ・害虫・雑草・病原菌の増加や抵抗性の発現による、既存製品売上の増加および新規農薬の開発機会の増加 ・新規農薬の開発
・農薬ポートフォリオの充実
・登録国数の充実
・利用可能な水(淡水)資源の減少および世界的な飲料用水などの需要増加による、殺菌消毒剤の売上の増加 ・飲料水用殺菌消毒剤の拡販

全:全事業・企画本部  農:農業化学品事業  化:化学品事業

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特定したリスク・機会の主な財務インパクト
シナリオ 算出方法 財務影響
(# 2027年)
1.5℃
シナリオ
リスク 炭素税などのカーボンプライシング導入、規制対応、脱炭素投資による操業費増加 想定排出量、炭素価格から、カーボンプライシング導入による2030年の操業費増加額を算出
※ 想定排出量基準年(2018年度)実績より排出削減が進まないケースを想定
※2030年炭素価格:140$/t-CO2
IEA WEO2022のNZE参照
59億円/年
自社の再エネ電力調達による操業費増加 2027年の販売計画をもとに、すべての使用電力を再エネ電力に切り替えた場合の2030年の再エネ電力調達にかかる操業費増加額を算出
※ 想定再エネ電力調達単価は、非化石証書価格などを参照
4.6億円/年
農薬使用量規制の導入による、農業化学品売上の減少 Farm to Fork、みどりの食料システム戦略などの化学農薬規制による2030年の売上減少を算出 51億円/年
低炭素製品を提供できないことによる売上の減少 自社の化学品製造プロセスの脱炭素化が進まず、製品ライフサイクル全体の排出量(PCF)が多い既存製品の販売量が減少した場合の、2030年の売上減少額を算出
※ 既存製品の売上は2021年の実績値を使用
※ 既存製品の販売量の減少見通しについては、IEA Net Zero by 2050などを参照し想定
42億円/年
機会 GHG排出量削減によるカーボンプライシング影響の回避 2027年のGHG排出量削減目標(2018年度比30%以上削減)を達成した際の、カーボンプライシング導入による2030年の操業費増加の回避額を算出
※2030年炭素価格:140$/t-CO2
IEA WEO2022のNZE参照
18億円/年
低炭素製品向け部品・素材などの需要増加、売上増加 需要増加が見込まれる低炭素型製品について、2027年の売上計画を策定し、2021年からの売上増加額を算出 # 12億円/年
4℃
シナリオ
リスク 豪雨、洪水、海面上昇などによる浸水により、工場の操業・設備・在庫や、サプライチェーンが影響を受けるリスクの増大 2030年、2050年を想定し、洪水による拠点浸水が発生した際の財務影響額として、特に影響が大きい生産拠点の操業が停止した期間の売上減少額および設備・在庫毀損額を算出
※ 浸水深の分析には、Aqueduct floodsを使用
※ 浸水による被害率は、国土交通省の治水経済調査マニュアル(案)などを参照し設定
※ 財務影響額は、2021年の拠点売上高、設備・在庫高などを基に、影響が大きい拠点において浸水が生じ、対策を講じなかった場合の最大リスクとして算出
2030年:76億円

2050年:128億円

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 1.5℃シナリオを用いたシナリオ分析・財務影響の定量化を行った結果、カーボンプライシング導入による操業費の増加、低炭素製品を提供できないことによる売上減少などを重要なリスクとして特定しました。カーボンプライシング導入やライフサイクルCO2排出量の多い製品の需要減少に対しては、これまで取り組んできた工場の原燃料転換や再生可能エネルギーの導入を一層推進するとともに、インターナルカーボンプライシングの活用によりGHG排出削減を考慮した脱炭素投資をさらに推進し、リスクの低減を図ります。

 また、環境配慮要請の高まりに伴うマーケットの変化については、環境への影響が小さい農薬や生物農薬、および二次電池材料などの低炭素製品の需要が拡大すると考えています。生物農薬については、2022年4月に生物科学研究所農薬研究部にバイオロジカルグループを立ち上げ、事業化に向けて研究開発を進めています。また、環境エネルギー分野において、二次電池材料や環境発電材料、CCS・CCUS材料の開発を加速し、実需化を目指します。

 一方、4℃シナリオにおけるリスクとして認識している水害リスクについては、主要な生産・物流拠点の浸水の可能性を重要リスクとして特定しました。本リスクに対しては、工場および主要製品のBCPの策定および随時見直し、工場設備の高基礎化/高フロア化や、製品在庫の確保、重要原料の複数購買などを引き続き行っていきます。

 また、気温上昇・異常気象に伴うマーケット変化において、害虫・雑草などの増加、水不足や感染症の拡大に向け、農業化学品や、飲料水などの殺菌消毒剤などの需要が増大すると考えています。市場成長の見通しを踏まえ、当社の機会の拡大を目指します。さらに、気候変動の影響を受けにくい事業ポートフォリオを構築することで事業活動のレジリエンスを高め、リスクの最小化・機会の最大化に努めます。

指標と目標(2023年7月更新)

 当社グループは、「気候変動の緩和」をマテリアリティ要素のひとつと位置づけており、GHG (Scope1+2) 排出量の約95%を占める日産化学本体の排出量削減が気候変動関連リスク低減に重要であると考えています。このため、日産化学本体のGHG (Scope1+2) 排出量削減の長期目標として、「2050年カーボンニュートラル」、中期目標として「2027年度までに2018年度比30%以上削減」を掲げています。これらは、長期経営計画「Atelier2050」、および中期経営計画「Vista2027」の非財務目標として位置づけ、進捗を管理しています。また、本削減目標に対する達成度は、役員の業績報酬のESG連動部分に反映する仕組みとしています。

中期目標、および長期目標

カテゴリ 指標 対象
範囲
2027年目標 2050年目標
GHG排出量 Scope1+2排出量 総量 単体 2018年度比30%以上削減 カーボンニュートラル

 富山工場における天然ガスへの燃料転換、2017年度に実施した硝酸設備能力の適正化工事による反応器からの一酸化二窒素(N2O) の発生量の抑制、設備の能力向上、老朽化設備更等による省エネルギー化などにより、GHG排出量を着実に減らしています。2021年度は、アンモニア系製品の生産量増加などに伴い2020年度より増加しましたが、2022年度は、硝酸プラントトラブルなどによる排出量の増加の一方で、メラミン製造停止や小野田工場ボイラー燃料転換などにより排出量が減少した結果、2021年度より減少しました。

 当社はGHG排出量およびエネルギー消費量について、2018年度分から第三者検証を受審しており、今後も引き続きGHG排出量削減の取り組みを進め、環境負荷低減を推進していくとともに、信頼性の高い情報の開示に努めていきます。

  範囲 単位 2018 2019 2020 2021 2022 目標 (目標年)
Scope1 単体 t-CO2e 245,469 221,264 216,276 231,713 223,388 -
Scope2 単体 t-CO2e 117,926 105,390 102,182 113,623 104,275 -
Scope1+2 単体 t-CO2e 363,395 326,654 318,458 345,336 327,663 254,377 (2027)
GHG排出量原単位※1
(Scope1+2)
単体 t-CO2e/
百万円
2.33 2.04 1.96 2.03 1.79 -
Scope3※2 単体 t-CO2e 703,562 767,799 763,007 803,461 885,046 -
エネルギー原単位※3 単体 ※4 82.8 79.4 76.2 81.5 63.3 -
Scope1 連結※5 t-CO2e 253,785 228,791 220,243 238,958 230,424 -
Scope2 連結※5 t-CO2e 128,647 116,724 116,516 124,663 115,893 -
Scope1+2※6 連結※5 t-CO2e 382,432 345,514 336,759 363,621 346,316 -
Scope1+2 の連結に
占める単体の割合
  % 95.0 94.5 94.6 95.0 94.6 -
  • 1 排出量/売上高
  • 2 カテゴリ別データ:https://www.nissanchem.co.jp/csr_info/index/esg_data.html
  • 3 エネルギー使用量/売上高
  • 4 2013年度を100とする
  • 5 日産化学本体および、製造施設を有する連結子会社(日本肥糧、Nissan Chemical America Corporation、NCK Corporation)
  • 6 四捨五入の関係で、上段のScope 1, Scope2 の和と一致しないところがあります。

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