サステナビリティ
自社の事業基盤の強化
従業員の健康維持向上
方針・考え方
当社グループは、健康経営を推進するために2018年に「健康基本方針」を策定、2025年に一部改定しました。
日産化学グループの健康基本方針
心身の健康は、「従業員本人やご家族の幸せ」と「企業理念の実現および健全な企業の成長」を支える基盤です。会社と従業員が一丸となって、健康の保持・増進に向けた取組みを多元的に推進することで、従業員が健康でワークライフバランスの充実を図り、働きがいや生きがいに満ち溢れる活力ある会社を目指します。
- 従業員自身の自律的な健康管理を基本とし、会社はその支援を積極的に行います。
- 社内外の関係組織や専門家との円滑な連携を通じ、効果的かつ機動的な対策を実施します。
- 健康の保持・増進に向けた取組みにより、従業員の活力と生産性のさらなる向上を追求します。
取締役社長 八木晋介
健康経営戦略マップ
健康基本方針および健康経営の目標と各種施策のつながりを可視化するため、健康経営戦略マップを作成しています。取り組み状況やその効果を評価してPDCAを回すことで、より戦略的な健康経営を目指します。
体制

各種会議
人事部長を責任者として、環境安全・品質保証部、各拠点の人事担当責任者、健康保険組合が出席のもと、従業員の健康状態の把握、健康施策の企画、効果検証、取組改善を行う「健康会議」を年2回開催しています。
また、労働組合との協議・意見交換をする場として、当社、健康保険組合、労働組合からの各2名の委員から構成される「健康推進委員会」を年3回開催し、従業員目線も踏まえた健康経営のレベル向上に取り組んでおります。
さらに、2020年度より、当社健康基本方針を国内の関係会社にも適用し、各社の健康推進担当者が出席する「関係会社健康会議」を年2回開催しています。
各種会議(関係会社健康会議を除く)には、産業保健スタッフが出席する他、全拠点の保健師が出席する「産保会議」を年2回程度開催しています。
健康推進室
社員の心身の健康維持・増進を目的として人事部内に専門部署「健康推進室」を設置しています。健康基本方針に基づく、重点施策や各種健康施策の立案と実施を行うことで、一層の健康経営推進を目指します。
統括産業医
全社的な健康施策の企画・立案・実行にあたり、専門家の適切な助言を得るために、2020年4月から統括産業医を設置しています。統括産業医は各種会議への出席など、各種健康推進のための活動に参画しています。
産業保健スタッフ
きめ細やかな健康管理体制構築を目的として、本社、工場、研究所には保健師、看護師を設置しています。従業員の健康相談窓口、職場の衛生環境づくり、産業医・人事担当者との橋渡し役として、健康推進のための活動に参画しています。
指標
1.健康経営の目標指標
| 指標 | 対象 範囲 |
単位 | 2021 年度 |
2022 年度 |
2023 年度 |
2024 年度 |
目標 (達成年度) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| アブセンティーイズム※1 | 単体 | 人 | 6 | 10 | 9 | 9 | - |
| パフォーマンス(生産性)発揮度※2 | 単体 | % | 79.5 | 79.3 | 79.4 | 79.6 | 80.0以上 (2030) |
| 高エンゲージメント者割合※3 | 単体 | % | 16.2 | 16.3 | 15.6 | 16.4 | 17.0以上 (2030) |
| 高ストレス者割合 | 単体 | % | 8.6 | 8.1 | 7.8 | 8.3 | 8.0以下 (2027) |
| 適正体重者比率 | 単体 | % | 69.0 | 68.2 | 69.7 | 66.9 | 70.0以上 (2027) |
| 1人当たり医療費 | 健保 | 千円 | 111 | 112 | 134 | 120 | - |
- 1 私傷病およびメンタルヘルス不調による休職者数合計
(参考)2024年度の従業員(正社員)数:2,044人 - 2 病気やけががない時に発揮できる仕事の出来を100%として、過去4週間の自身の仕事を評価する方法(東大1項目版)でストレスチェック時に調査を実施。
- 3 仕事への熱意や姿勢について外部専門企業作成の従業員アンケートでストレスチェック時に調査を実施。「自発的行動」や「ポジティブな感情」などに関する質問で28の指標を判定し、エンゲージメントの高さを測定。
2.従業員の身体の健康
| 指標 | 対象 範囲 |
単位 | 2021 年度 |
2022 年度 |
2023 年度 |
2024 年度 |
目標 (達成年度) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 定期健康診断受診率※1 | 単体 | % | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 (継続) |
| 再検査・精密検査受診率 | 単体 | % | 71.4 | 71.2 | 69.2 | 68.6 | - |
| 特定保健指導参加率 | 単体 | % | 27.0 | 43.6 | 31.5 | 集計中 | - |
| 血糖ハイリスク者数※2 | 単体 | 人 | 100 | 90 | 91 | 98 | - |
| 血糖ハイリスク者治療継続率 | 単体 | % | 55.0 | 54.7 | 45.0 | 65.8 | - |
| 喫煙率 | 単体 | % | 21.3 | 20.0 | 19.7 | 19.6 | - |
| BMI25以上比率 | 単体 | % | 24.2 | 25.0 | 24.1 | 26.8 | - |
| 適正体重者比率 | 単体 | % | 69.0 | 68.2 | 69.7 | 66.9 | 70.0以上 (2027) |
| インフルエンザ予防接種補助の利用率 | 単体 | % | 54.5 | 52.5 | 53.3 | 50.2 | - |
| 私傷病による休職者数※3 | 単体 | 人 | 2 | 4 | 2 | 4 | - |
- 1 休職者等は除く
- 2 空腹時血糖126以上またはHbA1c6.5以上
- 3 メンタルヘルス不調による休職者を除く
3.従業員の心の健康
| 指標 | 対象 範囲 |
単位 | 2021 年度 |
2022 年度 |
2023 年度 |
2024 年度 |
目標 (達成年度) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ストレスチェック受検率※1 | 単体 | % | 100 | 99.8 | 98.8 | 99.9 | 100 (継続) |
| ストレスチェック受検者数※1 | 単体 | 人 | 2,173 | 2,185 | 2,223 | 2,274 | - |
| 高ストレス者割合 | 単体 | % | 8.6 | 8.1 | 7.8 | 8.3 | 8.0以下 (2027) |
| 高エンゲージメント者割合※2 | 単体 | % | 16.2 | 16.3 | 15.6 | 16.4 | 17.0以上 (2030) |
| メンタルヘルス不調による休職者数 | 単体 | 人 | 4 | 6 | 7 | 5 | - |
| 投資額 | 単体 | 百万円 | 14 | 14 | 15 | 15 | - |
- 1 休職者等は除く
- 2 仕事への熱意や姿勢について外部専門企業作成の従業員アンケートでストレスチェック時に調査を実施。「自発的行動」や「ポジティブな感情」などに関する質問で28の指標を判定し、エンゲージメントの高さを測定。
取り組み

健康保険組合と協働し、健康基本方針の重点項目である「生活習慣病」「メンタルヘルスケア」等を中心に、従業員の健康づくりのための施策を実施しています。これらの取り組みの結果、2025年3月に当社は9年連続で「健康経営優良法人~ホワイト500~※」に認定されました。
- 従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」の取り組みを認定する制度
7つの健康アクション

健康経営の目標達成に向けて、従業員の健康習慣の実践と定着を図るために「日産化学7つの健康アクション」を定め、実施率の向上を図っています。当社のストレスチェック結果より、実践個数が多い程、エンゲージメントや生産性が向上する相関関係を確認しています。
1.7つの健康アクション項目別の実践状況
| 項目 | 対象 範囲 |
単位 | 2024 年度 |
|---|---|---|---|
| 1.1回30分以上/週2日 以上の「運動」をする |
単体 | % | 46.9 |
| 2.「睡眠」で十分な休養をとる | 単体 | % | 63.1 |
| 3.週1回以上「歩数チェック」をする | 単体 | % | 44.9 |
| 4.週1回以上「体重測定」をする | 単体 | % | 43.4 |
| 5.週2回以上「休肝日」をつくる | 単体 | % | 81.4 |
| 6.毎日「朝食」をとる | 単体 | % | 77.5 |
| 7.毎日職場で「挨拶」をする | 単体 | % | 96.7 |
2.7つの健康アクションと高エンゲージメント者割合・パフォーマンス(生産性)発揮度


定期健康診断
受診率100%を目標に社員に声掛けを行っています。2024年度も受診率100%(注)を達成しました。
注:休職者等は除く。
メンタルヘルス対策
従業員の心身の健康は健全な企業の成長を支える基盤であり、重要な経営課題と捉え、ストレスチェックの結果ならびに分析結果等は、毎年、統括産業医参加のもと常務会での報告を実施しています。また、必要に応じてラインケア※1、セルフケア※2 研修(eラーニング含む)、社員と家族が利用可能なカウンセリングサービスを導入しています。
2024年度は、1人ひとりがストレス対処法を身に付け、挫折や苦境から回復する力を向上させることを目的に、レジリエンス(セルフケア)研修を実施しました。基本的な内容を含んでいたこともあり、例年と比較して研修の満足度はやや下がりましたが、従業員のメンタルヘルスへの意識向上に繋がっています。
- ストレスチェックの実施(2024年9月): 受検率99.9%
- ストレスチェックの組織分析とその報告会の実施:本社、研究所、工場で幹部社員を対象に報告会を計14回実施。分析および報告会は外部の専門会社に実施を委託。
- 1 管理監督者が行うケア。日頃の職場環境の把握と改善、部下の相談対応を行うことなど。2024年度のラインケア研修参加率100%。
- 2 自分自身で行うことのできるケア。働く人が自らのストレスに気付き、予防対処することなど。
2024年度のセルフケア研修参加率90%、受講後アンケートでのポジティブ回答率63%。
生活習慣病予防
生活習慣病にかかる医療費(入院外来分、調剤除く)は2023年度が122百万円(医療費の37%)、2024年度が87百万円(同30%)と医療費の約3割を占めており、健康保険組合と共同で各種生活習慣病予防対策を実施しています。2024年度は生活習慣病予備群の対象者への特定保健指導と糖尿病重症化予防プログラム、20代30代向けのダイエットプログラムをオンラインで実施しました。
受動喫煙対策
受動喫煙防止法(2020年4月施行)対策として、全事業所の喫煙環境を調査し、法基準を満たさない喫煙所は工事や撤去・移設を実施しています。また、昨年に引き続き、健康保険組合が「禁煙チャレンジ」(禁煙に挑戦する社員に助成する制度)を実施しました。
女性の健康づくり推進
2021年度に女性の健康づくり推進プロジェクトを立ち上げました。各拠点の総務担当者や医療職を中心に20名以上が参加し、女性の健康課題の共有や施策の立案・実施に向けた議論を行っています。また、女性の健康セミナーを毎年実施しています。
広く従業員に行う施策
様々な健康トピックスについて専門家が短時間で解説する当社オリジナル動画の配信や、アプリを活用したウォーキング大会、転倒災害防止を目的とした体力測定会の実施等を通じて、従業員のヘルスリテラシー向上や適切な生活習慣の実践を支援しています。





