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サステナビリティ

レスポンシブル・ケア活動の継続的強化

水資源の保全

方針・考え方

 当社はアンモニア水や高品位尿素水(AdBlue®)など、水を含む製品を製造しており、その他にも製造工程での精製、洗浄や装置の冷却に水を使用しています。このように適切な水質の水を十分量確保することは当社の事業を継続するために重要です。

 事業活動における水へのアクセスの重要性を鑑み、水に関する法規制を遵守し、工場での取水および排水の管理を徹底するとともに、地域団体との協力を行っています。今後も、水の使用効率の改善等、水資源の保全に取り組んでいきます。

体制

指標

水資源の利用

指標 対象
範囲
単位 2019
年度
2020
年度
2021
年度
2022
年度
水資源
投入量
都市用水 (水道水) 単体 百万m3 0.1 0.1 0.1 0.1
表流水 (川・湖など) 単体 百万m3 25.7 24.8 25.9 25.6
地下水 単体 百万m3 17.6 17.7 17.8 16.2
合計 単体 百万m3 43.4 42.6 43.8 41.9
放流水量※1 単体 百万m3 15.1 14.8 14.3 14.1
消費量※2 単体 百万m3 28.3 27.8 29.5 27.8
  • 1 表流水または地下水のうち、もとと同等かそれを上回る品質で取水源に戻される水
  • 2 都市用水 + 表流水 + 地下水 – 放流水量

取り組み

水資源の有効利用

 富山工場では、地域の自然環境の保全および地域の健全な発展を図る富山地域地下水利用対策協議会に属し、地下水の合理的利用を推進するなど、各工場で環境に関する法規制の遵守や地域団体との協力を行いながら、水資源の保全に取り組んでいます。

水資源投入量/放流水量(百万m3)

 

富山県立山連峰の雪解け水が流れ込む称名滝とハンノキ滝

▲富山県立山連峰の雪解け水が流れ込む称名滝とハンノキ滝

井田川から望む富山工場と立山連峰

▲井田川から望む富山工場と立山連峰

 

水リスク分析

 当社グループにおける水の利用・排出等に関するリスクを把握するため、当社および海外連結子会社の製造施設について、水リスク分析を実施しています。

AQUEDUCT による評価 (2023年4月実施)

 当社および海外連結子会社の製造施設が所在する地域の潜在的な水関連リスク評価として、World Research Institute (WRI) の AQUEDUCT (https://www.wri.org/aqueduct) WATER RISK ATLAS を用いた評価を実施しました。

<対象拠点>

袖ケ浦工場 (千葉県袖ケ浦市:日本)  袖ケ浦工場五井製造所 (千葉県市原市:日本)
埼玉工場 (埼玉県さいたま市:日本)  富山工場 (富山県富山市:日本)
名古屋工場 (愛知県名古屋市:日本)  小野田工場 (山口県山陽小野田市:日本)
Nissan Chemical America Corporation (NCA) (テキサス州:アメリカ)
NCK Co., Ltd. (NCK) (平沢市:韓国)
Nissan Bharat Rasayan PVT. LTD. (NBR) (グジャラート州:インド)

<分析した水関連リスク>

  • 物理的リスク (量)
    ①水ストレス ②水の枯渇 ③年変動 ④季節変動 ⑤地下水面の低下 ⑥洪水
    ⑦沿岸浸水  ⑧渇水
  • 物理的リスク (質)
    ⑨未処理廃水の割合 ⑩沿岸域富栄養化の可能性
  • 規制・レピュテーションリスク
    ⑪安全な飲用水にアクセスできない人口の割合 ⑫下水処理施設未整備人口割合
    ⑬ESGリスク

 総合リスク評価では、評価を実施した9拠点のうち8拠点が所在する地域で「低~中」リスクという評価結果であり、全体的には水リスクは低い傾向にあります。一方、海外連結子会社のNissan Bharat Rasayan PVT. LTD. (NBR: インド) が「極めて高いリスク」である地域に所在することが確認されました。

 NBRが所在する地域は、水の不足に関するリスクと水質に関するリスクが極めて高いという評価になっており、2023年8月に更新された Aqueduct4.0 で再度評価を行った結果、水の枯渇リスクがより厳しい評価となっていることが確認されたことから、資源としての水の不足が最も注目すべきリスクであり、次いで水質に関してもリスクが高いと考えられます。

 また、2040年を対象に、より厳しい悲観的シナリオ※に基づき水ストレス、季節変動、水需要、水供給の予測を行った結果、NBR が所在する地域における水ストレスおよび水需要に関するリスクが将来上昇すると評価されました。

  • 経済発展のばらつき、人口増加、GDP成長率の低下、都市化率の低下など、水利用に影響を与える可能性のある世界を表しており、CO2濃度は2100年までに約1370ppmに達し、世界の平均気温は1986~2005年のレベルと比較して2.6~4.8℃上昇するとした場合のシナリオ。

NBRにおける水リスク低減に対する取り組み

 NBRは、農業化学品の製造を行う拠点であり、2023年4月から本格稼働しています。工場への水の供給は、グジャラート州開発公社 (GIDC) からの工業用水からのみであり、上水道や地下水揚水などは利用していません。

 NBRでは、農業化学品製造における効率的な水使用を行うだけでなく、製造工程で生じる廃水を外部には排出せず、逆浸透膜を用いてろ過する廃水処理工程を経て再利用することで、水の不足に関するリスクを低く抑えるとともに、排水による外部水系の汚染の可能性も最小化しています。

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