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News Release

2005年8月4日 帝人ファーマとの新規化合物共同開発について

日産化学工業株式会社〔本社:東京都千代田区、社長:藤本 修一郎〕(以下、日産化学工業)と帝人ファーマ株式会社〔本社:東京都千代田区、社長:大八木 成男〕(以下、帝人ファーマ)は、日産化学工業が創製した新規医薬品候補化合物について、このたび心房細動および粗動の治療薬および予防薬として共同開発を行うことで基本合意し、細部についての協議を開始しました。

日産化学工業は、従来より独自の精密有機合成技術を活かした医薬品候補化合物の創出に注力しており、消炎鎮痛剤、カルシウム拮抗剤、スーパースタチンと位置付けられるコレステロール低下剤を上市してきましたが、今回の基本合意を機に、このたびの候補化合物についても、より一層のスピードアップを図り、開発を進めていきます。

一方、帝人ファーマは、重点3領域である呼吸器、骨・関節、を重点領域としてパイプラインの充実に努めています。特に代謝・循環器領域では、プレゼンスの向上に向けて積極的な製品導入、共同開発および自社研究に取り組んでいます。このたびの候補化合物は、2004年に取得した在宅酸素療法(HOT)の心不全適応や、現在国内で第Ⅰ相試験を実施中の心不全治療薬とのシナジー効果が高く、将来のパイプライン拡充に大きく貢献するものと期待しています。

詳細は下記のとおりです。

  1. 基本合意の概要

    日産化学工業は契約に際しての一時金、ならびに開発段階に応じたマイルストーン、売上高に応じたロイヤリティを受領し、一方、帝人ファーマは日本における共同開発権および独占的製剤製造・販売権を取得することになります。原薬に関しては日産化学工業が製造・供給します。なお、国外における事業化については、臨床でのPOC(Proof of Concept:開発段階にある新薬の臨床上の有効性を検証すること)を確認した段階で、両社で協議する予定です。
  2. 候補化合物について

    このたび共同開発を開始する新規候補化合物は、新しい作用機序により心房細動を抑制する物質で、心房に選択的に作用するため、心室への影響の少ないことが期待されるものです。有効性、安全性が臨床試験において確認されれば、既存の心房細動治療体系を一新し得る画期的新薬となることが期待されます。
  3. 市場ニーズについて

    (1)心房細動の患者数は、国内で約125万人、米国で約220万人です。加齢に伴って発症頻度が高まることが報告されており、65歳以上の高齢者の約5%に心房細動の症状があると言われています。今後、高齢者人口の増加が見込まれている中で、患者人口が増えることが予測されます。

    (2)現在、心房細動の治療では、心房の不規則な収縮を正常状態に近づける作用を持つ薬剤(抗不整脈薬)が使われています。しかし、一般に心房、心室の両方に作用してしまうことから、心電図上のQT延長(心電図の異常の一形態)や不整脈の誘発などの心室への有害作用、心機能の低下作用が問題視されており、これらの課題を克服する有効性や安全性の高い薬剤が望まれています。
  4. 心房細動について
    (1)心房は、全身または肺から心臓に戻った血液を効率よく心室へ送り込むポンプ機能を果たしており、通常は拍動に合わせて規則正しく収縮しています(1分間に50〜100回)。心房細動は、心房が1分間に400〜600回不規則に収縮する症状であり、その結果血液を心室へ送り出す心房の役割を果たせない状態になります。

    (2)心房細動になると、心房内で血液の塊(血栓)が形成され、血流に乗って全身に流れ出します。本疾患は、塞栓症、特に脳塞栓症の最大の危険因子であり、さらに心血管死の危険率増加、心不全の増悪因子としての関連も示唆されています。
  5. 今後の開発計画
    2007年に第Ⅰ相試験を開始する予定です。

以上

 

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