私たちの化学は、続く。Never-ending Chemistry

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社員の話を聞く

研究開発(化学)高分子系 機能性材料 S.W. 材料科学研究所 ディスプレイ材料研究部 高分子系 修士 2012年入社

Introduction

「液晶配向膜」は、ポリイミド樹脂を原料とし、液晶分子を一定方向に配列させるための膜だ。
今このテキストが表示されているデバイスも含め、すべての液晶ディスプレイに欠かせない製品。
いわば、液晶ディスプレイの技術革新を支え、巨大な市場を左右する存在でもある。
そうした最先端の研究開発で奮闘する若手研究者S.W.に話を聞いた。

液晶配向膜は、液晶分子を制御する、わずか100ナノメートルの厚さしかない膜です。けれども、液晶配向膜は液晶ディスプレイの性能を左右します。そして液晶ディスプレイと同様、液晶配向膜も目まぐるしいスピードで進歩しているのです。

たとえば、その進歩を表す特性のひとつが「応答速度」。それを高めることで、滑らかな動画の再生が可能になるわけですが、液晶自体の応答速度が高まれば、液晶配向膜にも、それに合わせた進化が求められます。

しかし、あるひとつの特性を補えば良いというわけではありません。配向膜には、多くの特性が求められており、何かを改良すれば、何かが悪くなる「トレードオフ」がつきものです。視野を広く、常に全体のバランスを考えた総合的な判断が求められます。

私たちの日々の研究は、配合を考え、液晶配向膜をつくっては、ディスプレイを製作し、評価をすることが中心です。よい液晶配向膜ができれば、サンプルをディスプレイのメーカーへ届け、やり取りをしながら、また次のサンプルをつくっていく。多くのメンバーが関わり、スピード感をもって試行錯誤を繰り返しながら、製品化へと進んでいきます。デジタルの最先端の研究開発は、熱気ある現場なのです。

まだ駆け出しの私の仕事が、思いがけず、役に立てたことがありました。

テレビやスマートフォンといった液晶ディスプレイの大画面化が進んでいるのは、みなさんもご存じですよね。いかに周囲の“額縁”といわれる部分を細くするかは、大きなテーマの一つです。

私は、そうした額縁の狭い液晶ディスプレイに必要な特性を検討するというテーマに取り組みました。一般的な液晶ディスプレイは、液晶配向膜を塗った2枚のガラスが液晶を挟み込む構造で、中の液晶が漏れないように周囲はシール材で密封されています。額縁が狭くなると、周囲の“のりしろ”が無くなってしまいます。それなら液晶配向膜の上にシール材を密着させガラスを密封したいところですが、液晶配向膜とシール材は密着せず剥がれてしまう、というのが常識でした。

私はまず、「密着」とはどういうことか、「剥がれる」とはどういうことか、という基本的なことから調べていきました。力のかかり方によっても剥がれ方は異なります。どちらかと言えば物理学の考え方である「力学」には、これまであまり馴染みがありませんでしたので、難しく感じることもありました。
しかし基本を理解した上で、液晶配向膜とシール剤が剥がれている状態をしっかりと観察し、検討を続けたことで、密着力を高める手法を発見することができました。「一つ一つの小さな現象を見逃さないように」と上司に指導されていたこともありましたし、駆け出しならではの“知りたい”という気持ちもありました。それが結果的に“常識を疑った”ことになったのです。

今は、どんな種類のシール剤にも対応できるよう、密着力を高める様々な手法の探索を続けています。
最近、海外にある関係会社に行き、液晶配向膜の密着性について発表する機会がありました。私の発表を聞いた研究者のみなさんに興味を持っていただき、「すぐ検討してみよう」と、一緒に実験させていただきました。いろいろ議論させていただくことで、大いに刺激を受けました。

上司からは、「S.W.がしっかり観察して、フィードバックしたからこその成果だ」と言葉をかけてもらい、自信がつきました。

先輩たちの仕事ぶりを見ていると、成果が出ない時でも決してあきらめないで、次々と化合物の配合を変えたりしながら、粘りに粘って成果につなげていきます。そうした姿を見て、「スゴいなあ、見習わなきゃ」と思います。目標にしたい先輩が周りに大勢いるんです。

そんな環境にいることを活かしながら、少しでも早く、自分の関わったディスプレイが世の中に出ていく日が来るよう、頑張っていきたいと思っています。

大切にしていること
大切にしていること
世界を旅行すると、自分が恵まれた国に生まれ育ったと、ありがたく感じます。恵まれている分、頑張って世界にお返ししていきたい。それが私の働く意味だと思っています。新しい材料をつくって役に立ちたいですね。

私を取り巻く環境
私を取り巻く環境
いそがしい中でも笑いが絶えない、明るい雰囲気に包まれた職場です。先輩方にはいろいろなことを相談できますし、安心して仕事に取り組むことができ、恵まれていると思います。

私のNever-ending Chemistry

私のNever-ending Chemistry
自分の関わったディスプレイが
世の中に出て、役に立つ日を目指して。