あちこちで “男性社員の育児休業”が話題になる機会が増えてきました。考えてみればそれは、働き方改革や、ダイバーシティ、女性活躍など、さまざまな観点からとらえることができそうです。
そこで今回は、日産化学の中でも比較的早い時期(2019年)に育児休業を取得した男性社員 菅原峻に、経験談を聞いてみました。
聞き手は、現在すでに子育て中で、第2子が誕生した暁には育児休業を取りたいと興味津々の、人事部 稲葉正光。インタビューは、2021年秋に行われました。
育休に入るまで。
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菅原さん、こんにちは。私は子どもが1人いるんですが、今度、もし2人目ができたら育児休業を検討したいと思っていて。今日は、育休取得の先輩である菅原さんにいろいろ聞いてみたいと思っています。
菅原
はい。育休取得の経験は、できれば多くの方にご紹介できればいいな、と思っていたので、私でよければ喜んでお話しします。
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菅原さんは当初、育休を取得する予定ではなかったそうですね。
菅原
そうなんです。妻は徳島県の実家への里帰り出産で、義理の両親のサポートも受けられるし、私は有給を取って行くことはあっても育休を取る必要まではないな、と考えていたんです。
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そこまでは典型的なケースですよね。
菅原
ところが、妻が産後骨粗しょう症になってしまったんです。もともと骨密度は低めだったのですが妊娠・出産ですごく下がってしまって。産後に腰痛がひどくて立ち上がるのもつらかったようで、診てもらったら、腰椎と胸椎を含む5本を圧迫骨折していたと。
そうなると、さすがに、赤ちゃんの世話と本人の介護のすべてを、義理の両親にずっと頼み続けるわけにもいかないと、育休取得を申し出たんです。 -
なんと、それは奥様もたいへんでしたね。
それでその時点からの申請になったのですね。菅原
そこは当時の上司が親身になってサポートしてくださって、育休取得の手続きと、仕事の引き継ぎの準備を終えることができ、3週間後から取得することができました。
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なるほど。最初は育休を取らないつもりだったのに必要に迫られて取った。そうした菅原さんだから経験できた心境の変化も、ぜひ伺えればと思います。
菅原
わかりました。
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仕事の引き継ぎは問題なかったのですか?
菅原
当時私は、次世代材料研究部で、次世代太陽電池向けの材料開発に携わっていました。その頃、私がメインで進めていたテーマは、海外のメーカーへの提案だったので、サンプルを提出して先方で評価をしてもらって、というワークのスパンがちょっと長かったんですね。急ぎの課題が山積み、という状態ではなかったのは幸いでした。
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周りのみなさんの反応は?
菅原
やはり、みなさんのサポートが大きかったですね。チームは少人数なので、1人抜ける影響は大きかったと思うのですが、皆さん肯定的に、「家庭が大事だから、仕事忘れて専念してね」みたいな言葉をかけてくれました。
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やさしいですね。
菅原
そうなんですよ。ホントにみなさんやさしくて。どうしてでしょうね。日産化学の社風なのかもしれません。
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それで3週間後から奥様のご実家へ行くことができた、と。
菅原
そうですね、それから2カ月半の間、徳島にいました。
育休中のできごと。
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