人を育てる社風
日産化学では、人材開発の本質は「社員一人ひとりが自発的に自己研鑽を積み、自己の成長を図ること」にあると考えています。
「学びたい」「成長したい」と願う社員のために、さまざまな人材育成制度を整備しています。
しかし、いくら制度が整っていても、活用されなければ意味がありません。個人が、制度を通じて成長すること。そして、自律した個人が、部門やキャリアなどの壁を越えて協働し、さらに成長すること。そうした好循環を生み出す社風こそが大切だと考えています。
そこで、部門内、また部門を越えて、双方向のコミュニケーションを生むような仕組みづくりや、社外の研究機関や海外の拠点への積極的な派遣など、幅広い施策を行っています。
価値創造型企業の生命線は“人”。人を育てる社風であり続けるための取り組みは続きます。
セルフスタート研修
「自分が何をすべきか、自ら考え実行していく」セルフスタート型人材の基盤を築くことを目的に、技術系は入社後2年間、事務系は3年間をかけて、「オリジナリティをもった企画提案及び実行」に取り組みます。研修を通して、一人ひとりに実施指導者(主に先輩)や実施責任者(主に上司)がつき、「思い」を形にできるよう、継続して後押しします。さらに、対象者のテーマと関連のある他部門の先輩社員が「アドバイザー」に就任。さまざまな部門の社員が一体となって、ひとつの提案を作り上げます。
各年度末には、自身の取り組みを論文にまとめ、異なる専門分野をもった対象者が一同に介し、討論会を行います。活発な議論を通して、新たな気付きを得ることができる場となっています。
部門の垣根を越えた研修は、新たな価値創造の原動力といえます。実際、この研修で若手社員が提案したアイディアが採用され、その後の業務に活かされることも少なくありません。
- 「セルフスタート研修」
論文発表会では、同期社員が集まり、それぞれが1年間かけて作成した論文の成果を発表し合います。専門が異なる同期も多く、他分野で活躍する姿を見て刺激を受けました。
一方、自分の発表では、思いを伝えきることができず、同期から厳しいコメントを受け、悔しい思いもしました。
私にとってセルフスタート研修は、研究者としてのプロ意識を自覚させるものでした。大学の研究や学位論文では教授に頼ることも多かったですが、
上司や先輩の協力、アドバイスを受けながらではあるものの、すべてを主体的に取り組むことのできた研究活動でした。
今後は、研修で学んだことを業務に生かして成果に繋げ、研修参加時の自分を越えていきたいです。
- セルフスタート研修
- 実施指導者(先輩)の声
- Y.M.
- 物質科学研究所 農薬研究部
-
本人の自主性を重視しながらも、基本を身につけるサポートや、いざというときにアドバイスを行うことが私の役目だと考えています。
1年目の研修では、探索研究において重要な効率的な情報収集とその分析のやり方を学べるよう、サポートしました。
印象深かったのは、2年目の研修です。提言に至るところで困難があり、かなり煮詰まったのですが、「本質を考えよう」というアドバイスをしたところ、彼が考え抜き、革新性の高い提言にたどり着いてくれました。とてもうれしかったですね。
- セルフスタート研修
- 実施責任者(上司)の声
- T.K.
- 物質科学研究所 農薬研究部
-
2年目には、テーマの選定から提言に至るまで主体的にやり抜いてほしい、という思いで見守ってきました。覚悟と自覚をもって取り組んでくれたと感じています。
彼の論文提案をきっかけに、チームメンバーたちも新たなテーマに関心をもち、現在では、彼が発想した化合物が、私たちの探索テーマのリード化合物になっています。彼自身が研究員としての自信をつけてくれたのは大きな成果ですが、それだけにとどまらず、関わる全員にとって意義のある日産化学らしい研修になったと思います。
語学留学制度
日産化学では、多様な人々と働くためには、単に語学だけではなく、相手の文化的背景や考えを理解し相互を理解し合うことが大切であると考えています。
当社では、異文化を体感し、実践の中でこれらを身に付けてもらうことを目的として、語学留学制度を導入しています。
異なる文化に実際に触れ合うなかで、語学の壁に苦しみながらも、主体的にコミュニケーションを取り続けることで、研修生一人ひとりに成長の跡が、はっきりと見られる結果を得ています。
- 「海外研修」
海外にある契約先のラボへ出張した際、ビジネス英会話力・コミュニケーション力の不足を痛感したのが、海外研修を志望したきっかけです。 現在は、イギリスのポーツマスにある語学学校に留学し、日常英会話に加え、ビジネスシーンで必要となるビジネス英会話を学習しています。実際に海外生活を体験することで、他国のライフスタイルや文化などを知ることもできています。
研修を通して、多様な異文化と密接に関わることができ、先入観を持たず、幅広い視野をもちながら積極的にコミュニケーションがとれるようになってきたと実感しています。
帰国後は、この経験を活かし国際的な研究開発プロジェクトに積極的に参加し、活躍したいと考えています。