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私たちの化学は、続く。Never-ending Chemistry

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社員の話を聞く

研究開発(化学)高分子系 機能性材料 T.I. 材料科学研究所 次世代材料研究部 高分子系 修士 2009年入社

Introduction

次世代材料研究部は、その名の通り、驚きと不思議に満ちた未来の材料を生みだす場所だ。
誰も見たことのないモノをつくるため、実験室に立つT.I.は、持ち前の好奇心とチームワークで、
社会を変える材料創製に挑戦している。
T.I.の話は、九州大学との産学連携から生み出した新材料の研究開発から始まった。

固体なのに液体のように振る舞う物質。容器に入っている状態ではジェル状なのに、液体と同様、スプレーすることができる。外力によって「ゲル-ゾル転換」する。

そうした、きわめて水に近い感覚のゲルを創り出すことのできる低分子ヒドロゲル化剤が『ナノファイバージェル®』です。

ナノファイバージェル®は、水に溶けない物質である油や水よりも比重が重い顔料のような金属粒子を、水の中に均一に分散させることができます。弱い相互作用によって形成された会合体の絡み合いによって溶媒をゲル化するため、化学結合した高分子鎖による高分子ゲルとは、まったく異なる物性・機能を発揮します。しかも、これまで研究されてきた低分子ゲル化剤は、静置しなければゲル化しませんでしたが、ナノファイバージェル®は攪拌しながらでもゲル化するため、実用性がとても高いのです。

ナノファイバージェル®は、長い研究開発期間を経て、ようやく市場へ出て行きつつある状態。当面の目標として、化粧品へ展開していくため、機能強化を進めています。将来的には、医薬品への応用など、さまざまな可能性を秘めている材料だと考えています。

チーム全員でナノファイバージェル®に夢中になった6年間でした。低分子ヒドロゲル化剤は学術論文では知られていたものの、産業化はされていなかった材料。形になるまでには膨大な試行錯誤が必要だったのです。

特に長い期間を要したのが、温度の課題でした。当初は高温でグツグツ煮なければ水に溶けなかったのです。溶けないのでは、使い勝手が悪く、製品化を推進することはできません。製品化可能な加熱温度は約70℃。より低い温度でも水に溶けるためには、溶媒にブレイクスルーが必要でした。

溶媒の候補になりそうなものを、来る日も来る日も片っ端からスクリーニングしていきましたが、まったく成果はでません。何度も心が折れそうになりましたよ。

そのブレイクスルーは、基礎に立ち返ることで達成されました。それは“似たような特徴を持つ物質同士は溶けやすい”という化学の基本的概念です。ナノファイバージェルの特徴は疎水性と親水性を同時に持つ構造。これと似た構造を持つ溶媒によって、低温でも水に溶かすことができたのです。まさに“灯台下暗し”でした。

私が入社して関わってから6年。これまではサンプルとして無償で出荷をするだけだったナノファイバージェル®が、ついに製品として有償出荷された、その日の感激は忘れられないですね。

私は負けず嫌いで、何があっても「できませんでした」とは言いたくない人間です。だからこそ、ナノファイバージェル®をモノにすることができたのだと思います。しかし、それだけではここまで研究を続けることはできませんでした。何年も成果を出せずにもがいているのを支援し続けてくれた上司の方々には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。社員の熱意をしっかりと支えてくれる環境があったからこそ、新しい製品を創出できたのだと思っています。

ナノファイバージェル®は、これから製品として磨きを掛けていく段階ですが、私はさらに次の新しいテーマに取り組みたいと考えています。

大学院時代に研究していた「ドラッグデリバリーシステム」を活かした研究に携わることができそうで、ワクワクしているところです。

新しいフィールドでも、誰も見たことがないモノを開発したいと思います。なにせ私のいるのは「次世代材料研究部」。まったく新しい材料を生み出し、次の社会に役立てていくことがミッションなのですから。

私の学生・院生時代
私の学生・院生時代
学部では、複雑な構造を持つ超分子の有機合成を行っていました。その後、大学院に進み、ドラッグデリバリーシステムを研究し、生体内で薬物の放出を制御できる粒子の設計を行っていました。

大切にしていること
大切にしていること
自分たちがつくったもので「日産化学はこんなものをつくれるんだ!?」という“驚き”を与えたいと、いつも思っています。そうしたモノづくりで会社の技術力を伝えることも、次世代材料研究部の使命だと思うからです。

私のNever-ending Chemistry

私のNever-ending Chemistry
誰も見たことがないモノを生み出し、
世界が変わる瞬間を、見てみたい。