日産化学工業株式会社 NISSAN CHEMICAL INDUSTRIES,LTD. 採用情報サイト
私たちの化学は、続く。Never-ending Chemistry

日産化学工業株式会社 NISSAN CHEMICAL INDUSTRIES,LTD. 採用情報サイト

社員の話を聞く

研究開発(化学)農薬 M.I. 物質科学研究所 農薬研究部 有機化学系 修士 2010年入社

Introduction

世界の作物の大量生産を支える農薬。自然や人間に負荷をかけない新農薬の研究開発は、
これからの食の未来を支える上で重要だ。M.I.は、農薬研究部で新しい農薬原体の
創製研究を行っている。“0から1”を生み出しつつあるM.I.に、研究の醍醐味を聞く。

新しい農薬になりうる可能性を秘めた化合物を見出すことが私の使命です。現在、私は除草剤の創製研究を担当しています。除草剤は、作物に影響を与えることなく、水田や畑に発生する雑草のみを枯らさなくてはなりません。そういった「選択性」を持つ化合物を見出すことは、そう簡単なことではありません。

農薬の創製研究は、物質科学研究所と生物科学研究所の「共同作業」です。私たち物質科学研究所が、目標とする特性に近い化合物やポテンシャルがありそうな化合物をベースに、置換基や骨格を変えながら多くの化合物を合成します。そうして合成された化合物を、生物科学研究所が実際に作物や雑草を使って評価し、その結果を私たちにフィードバックします。結果が少しでも目標に近づいていたり、注目すべき特性を持っていたりすれば、その化合物をベースに“周辺展開”を行い、再び評価する。これを繰り返しながら創製研究を進めていきます。

ほんの少しの構造の違いで活性がいきなり向上することもありますし、苦労の末に合成した化合物が、評価してみると活性が消失していた、なんてこともしばしばです。その時に大切なのは、それをただの失敗と考えるのではなく、“新しい情報を得た”と捉えて、次の研究方針や合成計画にいかに活かしていくかということ。次への進み方、道の選び方に、研究者の個性や能力が現れます。

創製研究には、綿密な計画性と新たな領域を開拓しようとする気概が必要です。私たちは数カ月分の合成計画を立て、それに沿って創製研究を行っていきます。活性が高く、優れた特性を持つ化合物が見つかれば、その周辺展開の計画を立案し、継続していきます。

しかし、同時に、まったく新しい領域の探索も行います。私たちのような創製研究を行う者は、常に“新しい展開”を考えなくてはなりません。それは、合成法の調査や実験を進める中で思いつくこともありますし、他の研究者との何げない会話から着想することもあります。

こうした取り組みをするのは、農薬の開発が特許と強く結びついているからです。

私たちは、常に、国内の競合他社や世界の大手農薬メーカーと開発競争をしています。多種多様なアイデアによって他社に先駆けて、独自性の高い領域を創出し、その中から優れた特性を持つ化合物を見出せれば、特許を取られるリスクが低くなります。計画に沿った道を着実に進みながらも、常に新しい道を探し続ける。その両方を同時に行う必要があるのです。難しくもおもしろいところですね。

創製研究では、突然、まったく新しい道が拓けることがあります。まだキャリアの浅い私ですが、幸運にも、そうした経験ができました。

日産化学では、入社1年目と2年目に「セルフスタート研修」があります。その取組みの一つとして、先輩の指導の下、テーマを決めて調査や解析を行い、自分なりの提言を盛り込んで論文を書き、社内で発表する機会があります。私も四苦八苦した挙句、なんとか論文をまとめました。これが結果的に、いま私が取り組んでいるテーマが始まるきっかけの一つになったのです。

当時の上司が私の拙い提案にも興味を持ってくれ、さらに、チームの先輩がそれを活用してくれたことで、新規除草剤として高い活性を持つ化合物が見出されました。思わぬところから新たなテーマや優れた化合物が生まれる、これも創製研究の醍醐味だと思います。このテーマが順調に進めば、次は製造研究の段階に入ります。

先輩の中には、創製研究の中で開発候補化合物を見出し、その後もテーマに携わって製造研究まで行っている人もいます。私もそんな風に、創製から製造まで深く関わり、製品として市場に出て行くのを見届けられたら、と思っています。創製研究から製品化までの長い道のりに一貫して関われるなんて、きっと、そうそうできない経験ですよね。

私の学生・院生時代
私の学生・院生時代
学生時代には、不斉点を持つ化合物を立体選択的に合成するための新規触媒の開発を行っていました。つくった分子が新しい機能(=価値)を生み出していることを実感できるのが楽しかったです。この感覚は今でも大切にしています。

アイデアを生む方法
アイデアを生む方法
実験室ではノートやドラフトのガラスに構造式を書きながら考えていますが、四六時中アイデアを考えているわけではなく、会社を出るとあまり何も考えないタイプ。無意識にオン・オフを大切にしているのかもしれません。

私のNever-ending Chemistry

私のNever-ending Chemistry
自分でゼロから生み出した農薬原体を
市場にまで送り出す。
新しい農薬の可能性を生み出し続けたい。